紅麹とは
ベニコウジ菌をコメや大豆などの穀物に生育させたもの。
ベニコウジ菌とは?
ベニコウジ菌はモナスカス属のカビで,血清コレステロール降下作用を示す「モナコリンK」という物質をつくります。このため、紅麹はコレステロール降下作用(機能性食品)、血清コレステロール降下薬(医薬品)として製品化されています。
ちなみに日本酒、焼酎、味噌、醤油、味醂、米酢、甘酒,酒粕などをつくる麹菌はアスペルギルス属で、全く安全な菌です。
ある特定のモナスカス属は、カビ毒のシトリニンを産生する菌株も存在し、この毒が腎臓に作用し,腎疾患を引き起こします。
紅麹は危険なの?
紅麹は、昔から中国や台湾、日本などで食品に利用されてきて、有名なところでは沖縄伝統の発酵食品「豆腐よう」や、紹興酒などの原料にもなっています。
また、400年以上前から使われていた発酵食品で、1600年代に書かれた『天工開物』によると「普通に魚肉は最も腐りやすいものであるが紅麹を薄く 塗りつけると、その品質を守ることができる。10日を経ても、ウジやハエは、近づこうとしない。つくるには稲米を用い、それは早稲でも晩稲でもよい」との記述があります。
紅麹には静菌作用・抗菌物質が含まれることが示されています。紅麹は食品の保存に利用することは現在でも受け継がれております。
過剰に摂取しなければ過度に心配する必要はないということです。
欧州では
国の食品安全委員会によると、欧州では紅麹に由来するサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害が報告され、14年に欧州連合(EU)が、紅麹菌が作るシトリニンのサプリメント中の基準値を設定した。
フランスでは、摂取前に医師に相談するよう注意を呼びかけており、スイスでは、紅麹が含まれる食品や薬品の売買が禁止されている。
参考資料抜粋コラムニスト:
小泉武夫発酵文化推進機構理事長(東京農業大学名誉教授・発酵学者)
鹿児島大の吉崎由美子准教授(発酵食品学)